残したいものを手のひらであたためていくよ

どうも〜。みなさん元気かねえ。

 

もうすぐ1年が終わるなんて、コロナのせいでタイムワープしたような、なんだか孤独のてんてこのまいです。

 

コロナで外に出れなくて、趣味がひとつ増えました。インキャ感大幅な増加なのですが、キャンドルがすきです。火のゆらめきがたまらないのです。

 

今日家族でキャンプしました。

 

暖炉の火がそれはそれは、きれいでした。自然の火は深みがすごいのです。おじいちゃんと火を眺めながら飲むウィスキーは格別なうまでした。うまうま。こころからあったまって、2人で目尻がまるくなりました。

 

ハウスの外は、手の動きが鈍くなるような寒さです。夜はおじいちゃんと星をみました。空気が澄んで、お酒であたたまった体に、さむくて針のような痛みで鼻がツンとしたけれど、プラネタリウムみたいな星たちでこころがいっぱいになりした。だいすきな人とみる景色は最高なのです。

 

おじいちゃんは、これよりずっと綺麗な所知ってるぞ、とフンと自慢そうに話します。イタリアの夕日、フランスの夜景、どこもニコニコ話すけれど、行く場所はぜんぶ、おばあちゃんと行った思い出の場所でした。おじいちゃんは自覚ないけど、おばあちゃんのことめっちゃ好きなんだなア、いいなア…うらやましいゾ

 

だいすきなひととみる景色はきっと特別きれいなものだから、わたしはだいすきなひと…見つけたいなあと思うのです…(いない)

 

キャンプ場を掃除して出るときのこと。お父さんは掃除機の中のごみに気づきました。透明なダストには見る限り、虫の死骸、ホコリ、髪の毛がたまっていました。汚すぎてわたしは見て見ぬフリをしちゃいました。おとうさんは一つずつ手でほどいて取っていて。人としての鏡をみたような気になって、足の裏がムズムズしました。善人とはこのこと.…すごいなア

 

お父さんはとってもマメでやさしい人です。

お父さんの方のお父さん(お父さんの方のおじいちゃん)はもう亡くなっているけど、それはそれはとんでもない人だったそうです。お父さんとは似付かないほど暴力的で、酒を飲みすぎて死にました。お父さんは、子供たちのためにそんなお父さんにはならないぞ、とマメなのは努力したからなのです。

努力のやさしさをみて、善人とはこの人だと思います。

 

おじいちゃんやお父さんは、たくさんやさしさをくれます。

 

火のゆらめきはあったかくて、気持ちがいいです。火をみながら、わたしは誰かにやさしさをあげれるのだろうか…と暖かさを独り占めしてる気分になりました。手のひらの火は時間がたつと黒い炭になってしまいます。火のあたたかさのまま誰かに手渡すことなんて、できる気がしなくって、こころがヒュっとなりました。わたしのやさしさを受け取った手は、独り占めばかりして、まっくろです。

 

こんなにやさしさでお腹いっぱいなのに、わたしは何を残していけるのかなア

 

こんな孤独のわたしですが、拙い文字に残して、残したいことだけを文字にできるのです。文字の温かさなど、小さな火にすらならないかもしれないけれど、わたしが1人分あたためられたらいいナ、じぶんをあたためることに精一杯です故、ひとり分しか入れないなア

 

だけれど渡されたやさしさは、ほんものだから、何度も思い出して、ひとり分を咀嚼して、文字で残して、誰かに渡すときまであたためられたらなア